― トキの繁殖と野生復帰を進めていくために ―
7月1日からのトキの一般公開を記念したシンポジウムが、「朱鷺会館」において約200名が参加して開催されました。
シンポジウムでは、元恩賜上野動物園園長の小宮輝之氏、佐渡市長の三浦基裕氏、出雲市長の長岡秀人氏など6名のパネリストにより、それぞれの取り組みについて報告がありました。特に興味深かったのは佐渡市で、朱鷺と暮らす郷認証米制度やトキの餌確保のため冬でも田に水を張る「ふゆみずたんぼ」、江や魚道、ビオトープの設置など、環境保全型農業を実践し、生き物を増やす取組みには頭が下がる思いでした。現在、佐渡には野生下で約350羽が生息していると言われています。
出雲市では、漢中との交流を背景に、島根県、出雲市および住民が一体となり、分散飼育に取り組んだ結果、平成20年に環境省からトキ分散飼育地の決定を受けています。そして、平成23年からトキの分散飼育を本格的に開始しています。ようやく一般公開できる日を迎えますが、出雲の空にトキが羽ばたく姿を願い、佐渡に学び、一つひとつの取組みを実践していくことが必要です。また、一般公開を契機として、地元の皆さんをはじめとしたさらなる普及啓発活動の推進が望まれます。