― ウェブ会議により地方自治の課題について学ぶ ―
自治体議員連合2021年度第2回全国学習会が新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、ウェブ会議で開催され、自治労島根県本部で拝聴しました。
自治労本部総合労働局長の森本正宏氏からは、「会計年度任用職員の賃金・労働条件と組織化について」と題した講演がありました。自治労の調査によると、令和2年度から開始された会計年度任用職員制度により、退職手当や社会保険料などを負担しないようにするための「空白期間」の設定は解消され、9割を超える団体が常勤職員の給料表を基礎とし、職務経験を考慮して報酬を決定しており、官製ワーキングプアの解消に向けて一定の成果があったと考えられます。しかしながら、期末手当を支給しない、または減額して支給している団体や報酬水準が制度導入前と比べて減額となった職種がある団体の中には、制度の趣旨に沿わない理由により減額している例がみられるなど、依然として課題があります。自治労総体として、引き続き解消を図っていく必要があります。
続いて、早稲田大学教授の片山善博氏から「地方自治の課題」と題した講演がありました。コロナ禍から見えてきた地方自治における課題として、国と地方自治体との関係は対等とされているにも関わらず、緊急事態措置およびまん延等重点措置は国の判断であるなど、正常な関係とはなっていないとの説明がありました。また、地方議会への期待として、ポストコロナの社会では日常生活も含め、経済などは完全には元に戻らないと考えた方が良く、地方議会は広聴機能を強化し、ポストコロナがどんな社会になるのかを真剣に考えておく必要性、また省庁の能力、モラルが低下している中、地域本位の「地方創生」、地域の視点で国の政策を診ることが重要であるとの指摘を受けました。