岸みつぞう オフィシャルウェブサイト

地方財政セミナー

2020年 2月 7日

― 自治体財政分析の重要性を学ぶ ―

 自治労が主催する「地方財政セミナー」が東京「TOC有明」において開催され、参加しました。講師は其田茂樹氏(地方自治総合研究所)で、「政府予算と自治体財政について~自治体財政分析のてびきをもとに~」と題した講演が行われました。

予算編成の過程として、「骨太」すなわち「経済財政運営と改革の基本方針」は、次年度の予算編成に向けた基本方針を示すものであり、「Society5.0」が強調されています。「Society5.0時代にふさわしい仕組みづくり」が掲げられ、内容として「成長戦略実行」「人づくり革命、働き方改革、所得向上策」「地方創生」などがあげられ、「インセンティブ改革」「見える化」「先進・優良事例の横展開など」を引き続き拡大する旨が記載されています。また、「公的サービスの産業化」では、システムの標準化を行い、AIやRPAを導入することが強調されているのが特徴的です。

2019年度補正予算は、4兆4,722億円が計上されています。具体的にはⅠ.災害からの復旧・復興と安全・安心の確保(2兆3,086億円)、Ⅱ.経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点支援(9,173億円)、Ⅲ.未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上(1兆771億円)からなっています。財政法が補正予算の要件としている「特に緊急となった経費」という観点から見れば、最もふさわしいのは災害に対する対応であり、補正予算の中に自衛隊の安定的な運用体制の確保(3,783億円)が盛り込まれているのは問題であると指摘されました。安定的な運用体制は本来当初予算で確保されるべきものであると思います。

政府の予算編成過程において、提示されるさまざまな施策が自治体の予算や施策に影響を与えます。地方財政対策(計画)はもとより、その前段の「骨太」、概算要求、補正予算、税制改正、政府予算にアンテナを張り、自治体財政にもたらされる影響を想定することが求められます。そのためには、財政分析(決算分析)を行い、自治体財政に生じた変化が全国的な政策(財源の措置など)の変化によってもたらされたのか、自治体の事情によってもたらされたのかを見極めることが特に重要であると感じました。

其田茂樹氏による講演のようす

其田茂樹氏による講演のようす